セバスチャン・イラディール(S. Yradier)はアラブに生まれ、この一作で有名になったと言われている作曲家です。
彼はキューバにしばらくの間住んでいましたが、その地方の音楽をこよなく愛し、スパニッシュな楽曲を発表しました。ラ・パロマはそのなかでも代表作といえる作品です。
この曲のリズム(ハバネラ)は歌曲・器楽曲・室内楽などに編曲され広く人々に知られています。歌劇「カルメン」の作曲者ビゼーはこの曲を大変賞賛し、カルメンの中にハバネラを取り入れるほどだったそうです。
南欧風な独特のリズムに親しみやすい旋律、曲自体の難易度は高くありませんが、雰囲気を出すことに意識して弾きました。